
事故や煽り運転などの万が一に備えてドライブレコーダーを設置するのは今や常識……なのだが、意外に装着率が上がっていないのが現状だ。というのも、ドライブレコーダーは数多くの製品がリリースされており、ユーザー的には何を基準に、どれを選んだら良いのか? どこで買うのか? また、どうやって装着するのか? 悩みは尽きない。そこで、「Moto-Fan」が解決してくれるドライブレコーダーをレビューしてくれました。

事故や煽り運転に備えて……ドライブレコーダーを装着する意味
交通事故はいつ自分の身に降りかかってくるかわからない。これはドライバーなら誰もが感じていることだろう。ではどうして交通事故は起きるのかといえば、それはドライバー同士の意識にズレが発生しているからだ。
自動車の運転では、飛行機のように管制官がいるわけでもないから、あくまでドライバー同士のコミュニケーションの下でコントロールされる。そのため、ここに意識のズレが発生すると相手の動きが予測できなくなり、事故につながるのだ。やっかいなのはこの意識のズレが、事故が発生した後も続いていた場合だ。目撃者でもいればその説明によって状況が裏付けられるかもしれないが、現実はその証言も曖昧であることは少なくない。そんな時に役立つのがドライブレコーダーなのだ。

アクションカメラとは異なるドライブレコーダーの特徴
ドライブレコーダーが一般的なカメラと違うのは大きく3つある。
一つは、エンジンを起動した瞬間から自動的に記録が開始されることだ。これによって、ドライブレコーダーは走行中のすべての状況が映像と音声データとしてメモリーカードに記録していく。特に一般的なカメラと大きく違うのが、記録データがいっぱいになると古い記録から自動的に上書きされていくこと。これを繰り返すことで、最新のデータが保存され続けるのだ。
二つめは、事故などで衝撃を受けた際は、その瞬間のデータを自動的に上書きされない別フォルダに保存することだ。しかも、そのデータは衝撃を受けた瞬間から一定時間(一般的には30秒程度)遡って記録される。そのため、事故が発生するまでの過程が動画映像を通して再現でき、しかもその映像は上書きされずに残されるのだ。
三つめは、前方だけでなく後方の映像も同時記録されることもドライブレコーダーならではの機能だ。加えて、保存したい瞬間を“イベント記録”として任意に記録保存しておくことができる。この映像は上書きされないため、あおり運転を受けた際の再現にも記録にも役立つというわけだ。

“万が一”で終わらせない!ドライブレコーダーの楽しい使い方
そして、ドライブレコーダーにはもう一つ見逃せない機能がある。それがドライブしたルート上のシーンを振り返る、いわば“想い出記録”のプレビューだ。
すでにドライブレコーダーを使っている人も多いと思うが、記録された映像を再生して確認する人はほとんどいない。そのため、実際に事故などアクシデントに遭遇して、その映像をドライブレコーダーで確認しようと思っても、それが思うようにできないことが珍しくないのだ。
そんな状況に陥らないためにも、普段からドライブレコーダーを“想い出記録”として活用して慣れてしまえば「肝心な時に使えない」ということも避けられるのではないだろうか。

実際、ドライブ中は絶景シーンや貴重なシーンなど、ここぞ!といったシーンに遭遇することが少なくない。そんな時はドライブレコーダーのイベント記録や静止画撮影機能を使ってすかさず記録しておく。そして、帰宅したら記録した映像をPCなど専用アプリで再生してドライブの“想い出記録”として振り返るのだ。

カロッツェリアのハイエンドモデル「VREC-DZ810D」の圧倒的高画質
さて、こうしたドライブレコーダーの活用に最適な1台が、次に紹介するパイオニアの最上位モデル「VREC-DZ810D」である。

システムは、フロントカメラを内蔵した本体とリヤカメラの2ピースで構成される。このうちフロントカメラには、一般的なフルHD(約200万画素)の約4倍(約830万画素)となる高解像度4K録画に対応したカメラを搭載。周囲の風景はもちろんのこと、先行車やすれ違うクルマのナンバープレートまで鮮明な記録を可能にした。

4Kでの映像記録は別のメリットももたらしてくれる。4Kは映像そのものに豊富な情報量が含まれているため、輪郭を強調しなくても細部まで肉眼で見ているかのようにクッキリと描き出せる。 さらにフロントカメラは夜間の撮影能力の高さも見逃せないポイントだ。高感度・高画質を実現する「STARVIS」搭載のSONY製CMOSセンサー?と、パイオニア独自の画像認識・処理の知見を活かした「AI-ISP(Image Signal Processor)」を組み合わせた「ウルトラナイトサイト」を採用。独自の機械学習アルゴリズムで運転シーンやノイズ特性に合わせた画像チューニングにより、従来比100分の1以下の光量下でも色彩豊かな映像を残すことを可能としているのだ。

一方のリヤカメラ。こちらは解像度こそフルHDにとどまるが、高感度録画「ナイトサイト」に対応して後方の様子を、昼夜を問わず鮮明に記録することを可能とした。

中でも見逃せないのがスモークガラス越しで撮影する際の露出補正能力の高さである。このカメラには明るさを9段階に調整できる機能が備えられているが、それ以前にカメラとしての能力が極めて高いのだ。そのため、後続車の様子はしっかりと捉えられ、それはドライバーの姿まではっきりと確認できるほど鮮明に映し出せるほどだ。

ハイスペックだけじゃない使い勝手の良さと装着のしやすさ
そして、「VREC-DZ810D」では、取付け方で他のドライブレコーダーにはない特徴がある。それは本体をフロントウインドウにピッタリと寄せて取付けるというもので、多くのドライブレコーダーが採用している上から吊り下げて取付けるタイプではない。

この取付け方にどんなメリットがあるかというと、一つは本体をフロントガラスに寄せて取付けられるので、ガラスの映り込みが少ないということ。二つめがこのスタイルを採ることでブレ発生を極力抑えることができる。そして、三つめがフロント中央のADAS用ユニットやサンバイザーとの干渉を最小限にとどめられるということだ。

本体に備えた液晶モニターも見やすさも「VREC-DZ810D」の大きなポイントだ。画面サイズはプレビュー時でも映像をしっかり見せる3.0インチで、画面のインフォメーション表示部分を透過表現にしたり、モニターの角度を手前に起こすことで視認性も向上させている。

さらに操作ボタンも本体下部に配置しているため、ミラー裏に取付けた場合でも操作しやすい。このボタンには「イベント録画」ボタンも割り当てられているので、ここぞ!と思ったシーンでそのボタンをワンプッシュすればOKだ(静止画ボタンに切り替え可能)。
オプションを使用すれば24時間監視が可能!駐車時のいたずらや盗難対策にも有効
なお、「VREC-DZ810D」の電源は付属のシガーライターアダプターで取ることになっているが、オススメは電源をバッテリーから直接取って接続する方法だ。シガーソケット電源を利用している場合は駐車監視機能が使えない。せっかくの機能をフル活用するなら駐車監視ケーブルを使ってバッテリーから電源を取りたい。
別売の駐車監視ケーブル「RD-DR002」が必要となるが、これによってアダプターを介するよりもしっかりとした電源取得が実現する。加えて前後2つのカメラで24時間体制での記録も可能となり、駐車中に起こるトラブルをしっかり監視できるようになるのも嬉しいポイントとなるだろう。

駐車監視用電源ケーブル RD-DR002(2970円)
駐車監視録画対応、ドライブレコーダー用電源ケーブル。ドライブレコーダーと組み合わせることで、エンジンOFF時に衝撃を検知した際に映像を記録できるようになる。
メーカー直販のパイオニア公式オンラインショップという選択肢
いざ、ドライブレコーダーを買うとなるとどこで買えばいいのだろうか?カー用品店に行くことが慣れている人であれば展示品をみながら実際のサイズや使用感を確認できるし、取付もやってくれるので便利だろう。大手カー用品店であれば全国的に多数の店舗を構えており最寄りの店に足を運べば良いが、近くに店舗がなかったりなかなか買いに行く時間がないユーザーもいることだろう。そんな時はネット通販を利用することになると思われる。
Amazonや楽天など普段から利用している通販サイトや、あるいは最安値を掲げるサイトを利用することもあるだろう。ネット通販は実物を見ることはできないが、価格面で有利であったり、商品が手元に届くメリットも大きい。 問題があるとすれば取付けだ。カーDIYに慣れていれば手間こそかかれどやってできないことはないが、そうでもないと取付け作業はなかなかにハードルが高い。
しかし、パイオニアの公式オンラインショップで購入すれば「出張取付けサービス」を利用することができるのだ。

プロが自宅駐車場などで実車に合わせて装着してくれる「出張取付けサービス」
パイオニア公式オンラインショップで購入したものの、自分では取付けられない。あるいは綺麗に取付けたいというユーザーは出張取付けサービスを利用することができる。パイオニアが作業を委託する「モービルテック株式会社」がメカニックを派遣して取付けてくれるというもの。

メカニックは普段から多数かつ多様な車種にドライブレコーダーを取付けており、その蓄積された経験値と技術により幅広い車種に最適な方法で取付けてくれる。特にドライブレコーダーは電源から本体までやリヤカメラへのケーブルなど、その取回しが難しい。シガーソケット電源を利用するならまだマシだが、「VREC-DZ810D」の駐車監視機能を利用するためにバッテリーから電源を引くとなるとより難しくなる。

それにケーブルは内装の内側に隠してインテリアはスッキリさせておきたいところだが、内装を剥がすのはDIYに慣れていても二の足を踏む作業。ケーブルを内装の内側に隠すには内装パーツを取り外すことになるのだが、これはDIYではかなりハードルが高い。外し方もわからないし、壊さず傷つけず外すにはコツや経験が必要。プロとDIYで大きく差がつく作業だ。
しかし、出張サービスならこれもプロのテクニックにより美しく仕上げてくれるのだ。配線や取付け位置はもちろん、カメラの角度などもきちんと調整してくれるので安心して使用できる。

カー用品店で取付けた際に作業内容に不安を感じたり、取付け方法や場所に不満を抱くケースもあるようで、そういった経験をしたユーザーが愛車に応じたフィッティングをしてくれる出張取付けサービスを利用しているという話もあった。

費用や対応車種は?出張可能エリアは?
どれくらい工賃がかかるのか?状況によって追加が発生したりしないのか?不安に感じるユーザーもいるだろうが、パイオニア出張取付けサービスは料金が固定でオープンにされているのが安心だ。よほどのイレギュラーが無い限りは追加料金が発生することはないという。2カメラドライブレコーダーをパイオニア公式オンラインショップで購入した際に利用できる出張取り付けサービス例だが、駐車監視機能付き電源裏取り用ケーブルで装着してもこの価格。シガーソケットで装着するよりも作業内容的にはバリューだと感じる。
輸入車や作業性が輸入車に近いレクサスは対応できないケースがあるそうで、不安な方はサポート窓口へ事前の問い合わせを。
また、基本的に全国47都道府県で対応しているものの、都道府県によっては作業担当の所在地により対応できないエリアもあるという。出張場所は基本的に自宅や自身の契約駐車場となる。取付け日は予約状況次第だが、ゴールデンウィークのような長期休暇の前は日程に余裕を持った方が安心。逆に空きがあれば翌日でも対応できるケースもあるそうだ。対応エリアについてもオフィシャルサイトを事前にチェックしておきたい。
「出張料理」というものがある。一流シェフが自宅などでその腕を振るい家に居ながらにしてプロの料理を楽しめるという非常に贅沢なサービスだ。
出張取付けサービスも、一流のメカニックがユーザーの自宅まで来て愛車に合わせた取付けを行なってくれるのだから、考えてみるとこれも実にプレミアムなサービスなのではないだろうか? ドライブレコーダーをはじめパイオニア製品を購入した際に、取付け方にこだわるのであれば出張取付けサービスを利用してみては如何だろう?製品、サービス、仕上がりで、より満足度が高まるに違いない。
“万が一”の証拠能力のための高画質ドラレコ選び!カロッツェリア「VREC-DZ810」を使ってみた!! ドライブの思い出も綺麗に残せる?
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